「ありがとう。」
2010年10月16日 (土) | 編集 |
夫の父親が先週亡くなった。

まだ70代だった。

私の実の父親が90代なので、
順番からいっても、
夫の父親はまだまだ大丈夫だろうと安心していたから、
連絡を貰った時は、
信じられない気持ちでいっぱいだった。

具合が悪くなって、数時間で息をひきとってしまった。



同じ福島でも、中通りにある農家の夫の家と、
浜通りで普通の会社を経営している私の実家は、
風習などが全然違っていて、
結婚当初は戸惑うことだらけ。
出来の悪い嫁だったと思う。
でも、
そんな私を、いつもにこにこと義父は見守ってくれていた。
義父に叱られた事は一度もなかったし、
嫌な思いをさせられた事も全くなかった。


夫と結婚が決まって、義父が私の家に挨拶に来てくれた時、
義父が私にこう言った。
「△△さん(私の旧姓)というとても素敵な名字から、
 ○○(今の姓)なんてありふれた名字に変わっちゃいますね。」

そして、
 「ありがとう。」
と頭を下げてくれた。

ドキっとした。
夫と結婚できるのは嬉しいけど、
今の姓になるのは、正直、とっても嫌だった私の心の中を読まれていたようで…。

ちょっと変わった名字というだけで、
別に立派な家柄でもなんでもない普通の家に生まれ育った私に、
こんな風に言ってくれて、頭まで下げてくれた義父。
申し訳ないような気持ちになった。
そして、この時から、私は、義父も今の名字も好きになった。


義母に先立たれていて、娘がひとりもいなかった義父の旅支度は、
私がしてあげる事に。
足袋を履かせ、脚絆、手甲をつけ、六文銭の入った頭陀袋、両手に数珠。
そして、納棺。
緊張しながらも、想いをこめて、支度をしてあげた。

安らかな義父の顔。
「ありがとう。」
と、また言ってくれたような気がした。


「おとうさん、ありがとう。」

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